山口牧場をインタビュー

- 山口牧場
山口 敬広(たかひろ)さん |
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友里(ゆり)さん |
はるきくん |
婚活イベントで出会いました。
二人は2018年の秋、浜中町商工会主催のイベントで出会いました。
敬広さんは年齢的にそろそろ結婚をと考え参加しましたが、友里さんは違いました。友里さんは東京からの参加でしたが、結婚を意識していたわけではなく、北海道胆振東部地震の大停電の直後で参加者が少ないからと知り合いに声を掛けられたのが理由でした。
「おいしいウニが食べられるよ」という言葉に惹かれ、旅行気分で来たという友里さんは、情報も少なく、何も知らなかった浜中町で初めて会う人たちの情報を集めて楽しもうと思っていたそうです。
「酪農と漁業の人ばかりで驚いた」と笑う友里さんと敬広さんは町内を巡るバスやグループ分けで一緒になったことが話をするきっかけとなり、マッチングへとつながりました。
「酪農という仕事に就くことは考えてなかったのですが、『結婚は人だからね』と知人にアドバイスされて、人としての魅力を感じた敬広さんと結婚することにしました」と出会いから2年後に二人は結婚しました。


大都会の東京から浜中町に移住するにあたっては「ノリと勢いとチャレンジでしたが、実際に住んでみて田舎ではあるけれど暮らすのには困らないなと思いました」と笑顔で話す友里さん。
自身は高校の部活から始めたというお琴の師範免許を持ち、現在はお琴のサークルを立ち上げ、町内の文化祭で披露することもあります。また、中学校の音楽の授業でゲストティーチャーとして箏曲を教えたり、役場の依頼で介護予防教室の講師を務める他、小さなお子さんのいる女性たちとリトミックサークルを立ち上げるなど、様々な活動もしています。

山口牧場は乳牛約70頭の放牧酪農で自然に沿った飼育で、それも友里さんが魅力を感じた点だったそうですが、結婚後に友里さんがまず頑張ってきたのは野犬の保護活動でした。
牧場の周辺にいる野犬が牛を襲うこともあるため、その野犬を保護して飼い主を探す活動を町内のNPO法人「しおんの会」とともに約3年間続け、保護した犬の数は40頭にもなったそうです。
牧場の仕事については「昔の女性は牧場でも男性と変わらない仕事をしていたと聞きますが、女性は肉体的にも心理的にも男性と違うし、今はキャリアを持っている女性も多いので、酪農家と結婚するからといって、奥さんに牧場の全ての仕事を任せていいわけじゃないということを理解してほしいです。
結婚前に奥さんがどの程度酪農の仕事をするのか、どのような暮らし方をするのかを話し合うことも大切だと思います。
酪農家は個人事業主なので、黒字経営にするためには経営の知識を持った女性に向いているかもしれません」と話す友里さんは子育てとお琴やサークル活動、そして敬広さんのサポートに力を尽くす毎日です。